samedi 5 janvier 2008

パラサイト・シングル

1. パラサイト・シングルは何ですか。
パラサイト・シングルは、20~30代ぐらいの年齢で、社会人になりながらも親と同居している独身者という日本の社会現象を指す。つまり、親と同居し、基礎的生活条件(例:食事、掃除、洗濯)を親に依存している未婚者である。この表現は、東京学芸大学助教授の山田昌弘氏によると、まず1997年の日本経済新聞で、そして彼の「パラサイト・シングルの時代」で作り出した。パラサイトは「寄生」という意味で、この言葉は「パラサイト・いヴ」の小説や映画の影響を受けた。
しかし、これは日本の現象だけではない。例えば、アメリカなら「boomerang generation」と言って、イタリアなら「 mammons」がいる。
とこらが、日本で行っている「ぱらサイト・シングル」のことはアメリカなどと比べたら、少し違う。とりあえず、日本のパラサイト・シングルは三つのタイプに分けることができる。
第一は高い収入をもらって、ほとんど自分のためにしか使わずに、基礎的生活条件を親に依存している。(=サラリマンやキャリアーマンなど)
第二はフリターである。
最後は家を出かけることはなく、コンピューターで遊んだりする日常生活を暮らしている引き篭もり。
しかし、日本ではパラサイト・シングルと言えば、またこの言葉を作り出した山田昌弘がパラサイト・シングルを使えば、第一のタイプを表しているので、今日はこのタイプについて話したいと思う。
2. 日本での統計
1980年、30歳から34歳の未婚者は、男性で21.5%、女性で9.1%だった。親と同居している男性は30%も満たなかった。
1995年、この率が高くなった。未婚の男性は37.3%になって、女性は19.7%だった。そして、親と同居している男性は50%を超えて、女性は70%と高かった。
1998年 (国立社会保障・人口問題研究所「第二回全国家庭動向調査」によると)、25歳から49歳の未婚者で親から経済的援助を受けている人の割合は、男性で30%、女性で40%となって、さらに、親に身の回りの世話をしてもらっている人の割合は、男性で52%、女性で73%にのぼった。
親元を離れる理由としては結婚が一番重要な契機になったので、未婚者の数とパラサイト・シングルの数と関係がある。
そして、2000年のNRI (National Resources Institute)の「生活者1万人アンケート調査」で、パラサイト・シングルの割合は、20代男性で81.8%、30代男性で78.5%、20代女性で88%、30代女性で65.1%となった。
現在、山田昌弘の推計によると、日本にいるパラサイト・シングルはほぼ千万人である。
3.どうしてパラサイト・シングルがいるのか。
山田昌弘は、大きい町の郊外に住んでいる若者の数が増加しているのが一つの理由と述べた。そこで、通勤しやすくて、田舎の村や下町の生活より社会圧力が少ない。そして、独立したり、結婚したりすれば、彼らの生活条件が急激な低下を迎えるし(平均:購買力の3分の2を落とす)、それに掃除や洗濯などをするしかなくなるので、親元を離れる動機が少ないだろう。
パラサイト・シングルが結婚し独立しない背景についての考え方を調べると、全体では「経済的に楽な生活を送れるから」がもっとも高く63%、次いで「家事等の身の回りの世話を親がしてくれるから」が60%、「結婚したくても適当な結婚相手がいないから」が44%となっている。
そして、親同居未婚者、つまりパラサイト・シングル、の生活全般の満足度 (満足している+どちらかといえば満足している)をみてみよう。同年代(25~39歳)の既婚者よりは低いものの、未婚単独世帯よりも高くなっている。これを男女別にみると、男性の親同居未婚者の満足度は同年代の未婚単独世帯、既婚者よりも低く、女性では、逆に、そうした世帯よりも高く、満足している人の割合が61%に達している。
この結果について、満足度の高い女性から考えてみよう。まず、既婚者との関係では、結婚することに対する意識でみたように、結婚後における経済面、生活面での負担が現れていると思われる。家事の負担や、自分が自由に使えるお金の額を考えると、結婚するよりも、未婚のままで親と同居しているほうが満足度が高いということかもしれない。そして、単独世帯の場合は、自分で生活費を稼ぎながら生活していかなければならないことを考えると、このような経済面、生活面での負担が少ないことは、未婚単独世帯の人との比較においても理由としてあげられよう。ただ、この場合は、女性に特有のほかの理由も考えられる。いわゆる「友達親子」ともいうべき関係である。
経済面、生活面の負担が少ないことに加え、友達のような関係の母親が近くにいることで、精神的にも満足度が高いことから、このような結果が現れているのではないだろうか。
成人の未婚者の中で20~30歳代になっても親と同居を続けている人が多いことが、未婚化ひいては少子化を促進している要因として取り上げられることがある。
親との同居により、基礎的生活条件の一部を親に依存することにより、自らの所得を自分でできるだけ自由に使えることや、身の回りの雑事等に束縛されずに自由なライフスタイルが取れるなどの利点が考えられ、いわゆるパラサイトシングルと呼ばれる。こうした利点を享受していると、親元を離れて自立しようとする意識が薄れ、結婚、独立した生活という行動をとることが少なくなるのではないかと指摘されている。
若者の意識をみても、「親元を離れて暮らす」ことは青少年の成長や自立のために必要かどうかという問いについて、現在、「必要だと思う」との回答割合が低下している傾向がある。
親と同居すれば生活費はかからない。東京で一人暮らしすれば住居費・光熱費・電話代・雑費で毎月最低10万円は必要だが、それが親と同居していればすべて可処分所得になる。毎月ブランド物のバッグが買えるほどである。半年貯金すればかなり豪勢な海外ブランド買い物ツアーができるだろう。
実際、最近の女性誌にはミラノやパリの買い物地図が必ず付いているし、それを片手にブランドを探す(漁る)日本人OLは多い。
不況とはいえ、若者、特に若い女性の消費力が衰えたように思われないのは、彼女たちがパラサイトだからだ。
これらのパラサイト・シングルの消費価値観をみると、ブランド志向、デザイン志向、有名メーカー志向、流行志向などが高くなっていて、自分で自由に使えるお金の多さが反映されていると言える。このように、パラサイト・シングルの消費価値観は、親と同居していることによる可処分所得の多さを反映し、経済性を考慮しない自由な消費を行うことが特徴である。
彼らがファッションに使うお金が年50万円としても5.6兆円(environ 3 milliards d’euro)の市場である。特に、第二次ベビーブーム世代が25~29歳になるので、この年齢層は、95年の343万人から2000年は434万人に増加する。これは大きい。
しかし、日本の経済学者の 玄田有史 は山田昌弘がパラサイト・シングルの存在する理由を批判する。玄田有史にとって、若い人は今頃でも独立や仕事をしたいだが、経済現況では若者向けのフルタイムが欠けているせいで、フルタイムを得ることは大変である。それは、中高年の人々と若い人の失業率をみると、45~54歳の人は1%を占めりながら、25歳以下の男性の中で1割が失業者である。だから、中高年の人々の仕事や収入を保つ経済的な社会システムで若者にとっては大変な状態である。
では若者に対する調査で、どの結果になろうか。(2002年10月の調査「パラサイトシングル実態調査」)
親との同居について
独身者の9割が「親と同居」、理由は「一人暮らしできるほどのお金がない」が最も多い
独身社会人のうち、親と同居していると回答した人が9割を占める。その理由としては「一人暮らしできるほどのお金がない」(47.8%)、「一人暮らしする理由がない」(47.8%)で最も高くなっており、金銭的な面と、何となくそのまま家にいるというのが実情のようだ。このほか、食生活が安定するから、「一緒に住むのは当然」という意見が多くなっていた。
そして、親に日常生活のためにパラサイト・シングルはお金を出さないと言われているので、家計に入れるお金について人を尋ねた。
自分の給料から家計に生活費を入れている人は58.7%。入れている額は1万~3万円が最も多く(24.6%)、次に3万~5万円(21.0%)となっている。全くお金を入れていない人も全体の41.3%で、給料は貯蓄や自由に使える状況にあることがわかる。
4.パラサイト・シングルは社会にどの影響があるのか。
この社会現象は様々な問題を起こすと言われている。山田昌弘にとって、パラサイト・シングルは少子化や不況に責任がある。なぜなら、彼らは未婚者なので、あまり子供を生んだりしなくて、独立した家庭を持たずに、耐久消費財や住宅供給のためにお金を使わないからだ。また、結婚率が低下していることはパラサイト・シングルが増えていることに原因がある。犯罪の増加さえ、彼らは非難されている。心配している日本人は「我々の息子さんがパラサイト・シングルにならないように救う方法」と題される本がある。
では、具体的な問題をもたらす。人口は年をとると共に世代継続のレベルの下に出生率が減ってきた。
2006年は初めて記録を始めてから(戦争以外に)日本の人口が減少してしまった。Mitsubishi UFC Research and Consulting のデータをみると、日本では結婚式は毎年約12万ほど少なくて、赤ちゃんは毎年26万ほど少なくなる結果がある。
日本は高齢者が多くて、世界の最低出生率であるので、将来税金を払う人が足りないようになるはずだ。それは公的政策の重要な問題になっているだろう。
現在の状態を逆にするため、日本の政府は晩婚や少子化対策で育児の必要な施設や組織を作ろうとしてる。そこで、男女が家庭を築く、つまり結婚したり、子供を生んだりすること、と共に仕事ができるような施設や組織である。
しかし、山田昌弘は「それは先代の女性の欲望ではなかったのか。」と考えている。
最後に、彼は一つの逆説を表す。現代の女性は主婦の生活で、多大なる所得があって、忠実で、家事を手伝う夫と結婚したいと言っている。同時に、男性は文句を言わずに、明るくて、自分の所得で十分だと思って、快活に家事仕事をする妻を求めたいことになったらしい。
では、見たように、このパラサイト・シングルの社会現象は21世紀の日本のチャレンジになって、どうすれば回復できるのか。どの政策を実施したらいいのか。こちらこそ、これを見守るしかないだろうか。

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